民藝
界隈
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古マイセン
文・岡本 純一
古マイセン
旧そごう 神戸阪急百貨店で行なわれているマイセン展へ
300年以上前、ヨーロッパで白い金ともてはやされた東洋の潔白で美しい磁器。マイセンは東洋の白い陶磁器に憧れて、ドイツのマイセン地方で生まれた焼物です。皿やカップなどの食器も作られていますが、主に置物としてのオブジェが有名です。
土や釉薬を素材にレースのような超絶細かい表現は、今では作られていません。
手で持つだけで壊れてしまうような、繊細な表現は、民藝とは真逆にあるような技法かもしれません。
もとは王侯貴族のために開発された焼物なので、民衆的工藝には当てはまらない造形物だと思います。
でも、しかし、
そんな簡単に割り切るには躊躇する技法と職人仕事が散りばめられています。
何にせよ、目が引きつけられます。
マイセン陶器のほとんどが伝統的に型を使って作られています。
腕や頭、顔に至るまで、何十種類もの型が作られ、細かく分割された部品を、職人仕事でつなぎ合わし着彩されていきます。
ホエーーーー、、
としか、声が出ませんが、
古マイセンは、現代マイセンにはない風格のようなものを感じました。
マイセンの歴史はこちらから
岡本 純一(オカモト ジュンイチ)
陶器作家、Awabi ware代表。1979年兵庫県淡路島生れ。武蔵野美術大学大学院彫刻コース修了。同大学助手、非常勤講師を経て、2010年に地元淡路島にUターンし、「民藝は可能か?」をテーマに器の制作を始める。2016年、株式会社あわびウェア設立。2018年民藝入門書を目指した「ミンゲイサイコウ」を立ち上げる。